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平成の30年で寿命5年延び : がんや肺炎などの死亡率低下が貢献

医療・健康 社会

平成の30年間で日本人の寿命は5年以上延びた。老後の資金について「公的年金以外に2000万円の蓄えが必要」と指摘した金融庁審議会の報告書のことが頭をよぎると、めでたいはずの長寿も、なぜかもろ手を挙げて喜べない…

厚生労働省のまとめによると、2018年日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳となり、男性が7年連続、女性は6年連続で過去最高を更新した。平成元(1989)年は男性75.91歳、女性81.77歳だったので、平成の30年間で男女とも5年以上、寿命が延びたことになる。新薬の開発、病気治療の技術革新が続いていることに加えて、高齢者の健康意識の高まりも影響していると考えられる。

2018年に生まれた人のうち、65歳まで生存する人の割合は男性が89.5%、女性は94.5%。90歳まで生存する人は男性26.5%、女性50.5%で、いずれも過去最高となった。

平均寿命の前年との差を死因別に分解すると、男女ともがん、心疾患、脳血管疾患、肺炎などの死亡率の変化が平均寿命を延ばす方向に働いている。

18年生まれの人が将来がんで死亡する確率は、男性28.23%、女性20.01%。いまや、がんは不治の病ではなくなったとはいえ、男女ともに死因のトップ。人類ががんを克服して、がんで死亡する人をゼロにできれば、男性3.54年、女性2.84年寿命が延びると推計している。

主な国・地域別の平均寿命

  男性 女性
1 香港 82.17 香港 87.56
2 スイス *81.4 日本 87.32
3 日本 81.25 スペイン *85.73
4 ノルウェー 81.00 韓国 *85.7
5 スウェーデン 80.78 スイス *85.4

厚生労働省の公表資料を基に編集部作成  *は2017年データ

バナー写真:PIXTA

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