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モバイルバッテリーで突然発火も、衝撃・圧力・熱に注意

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スマートフォンの充電器、モバイルバッテリーの事故が急増している。胸ポケットに入れていたら突然発火など重大な事故も発生。夏休みでスマホを長期持ち歩くのに充電は欠かせず、注意が必要だ。

消費者庁によると、モバイルバッテリーの事故は2013年から19年6月までの6年半で計162件報告されている。報告件数は年々増えており、18年だけで76件。同庁消費者安全課は、事故報告増加の背景について「バッテリーの普及に伴って増加した可能性はあるが、原因は特定できず、はっきりしない」としている。

事故の内容は、「発煙・発火・過熱」と「火災」が全体の72.2%を占めた。「胸ポケットに入れていたら急に熱くなり、バッテリーを投げ出したら火柱が上がった。ポケットは焦げた」、「新幹線の中でかばんに入れていたバッテリーが破裂、両足に全治2週間のやけどを負った」など、一歩間違えれば命に関わる重大事故も起きている。

事故は製造不良が原因のこともあり、手持ちの商品が不良品でないかリコール情報サイトで確認するよう同庁は呼び掛けている。モバイルバッテリーのリコールはこれまでに計15件あった。

また電気用品安全法に基づき、技術基準を満たしたことを示す「PSEマーク」が付いているか、確認を求めている。19年2月からPSEマークが義務付けられたが、「一時マークなしの商品が投げ売りされ、市場に出回った」(消費者安全課)という。

使い方にも注意が必要だ。バッテリーは「衝撃・圧力・熱」に弱いとされる。炎天下の車内に置き忘れたり、車のシートに挟んだりしないようにと、同庁は注意を促している。

写真:発火するモバイルバッテリー(消費者庁提供)

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