Japan Data

熱中症が急増、遅い梅雨明けも8月は猛暑

社会 環境・自然 医療・健康 暮らし 科学

例年よりも梅雨明けが大幅に遅れたが、その分、8月に入ってから熱中症患者が急増している。

消防庁の集計(速報値)によると、熱中症で救急搬送された人は8月5日から11日までの1週間に1万2751人。前週(7月29日から8月4日)の1万8347人から減少したものの、2週連続で1万人を軽く突破している。梅雨明け前だった7月22日から28日の週は5664人だった。

5日から11日の週の熱中症搬送者は高齢者が54.9%を占め、住居で発症したのが4割強あり、屋内でも注意が必要だ。死亡者数は23人(前週は57人)。

人間の身体は平常時なら暑くても汗や皮膚温度の上昇で体温が外へ逃げる仕組みとなっている。しかし、気温が急速に上がったり、湿度が高く風が弱かったりすると、体温の調整機能が追い付かず体内に熱が溜まり熱中症に陥る。主な症状はめまいや吐き気、倦怠感などで、重度になると意識障害やけいれんを引き起こす。

2019年は長梅雨のため、7月になってもぱっとしない天気が続いた。日本気象協会によると、関東甲信越の梅雨明けは7月29日ごろで、昨年に比べて何と1カ月も遅れた。これに伴って7月の東京の平均気温は24.1度と前年を4度以上も下回っていたが、8月に入るとこれまでに平均29.8度まで急上昇。8月1、2の両日は熱中症搬送者数が全国で計3000人の大台に乗った。

環境省の熱中症予防情報サイトによれば、熱中症の疑いのある症状が出たら、涼しい場所へ避難して服装を緩めたり、水分・塩分を補給したりして、十分に休息を取るといった対処が考えられる。万が一、ほかの人からの呼び掛けに応じないような場合は救急車を呼ぶ必要があるという。

写真:PIXTA

気象庁 熱中症 梅雨明け