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農水産物輸出の伸び鈍化:19年上期、年1兆円の目標達成に暗雲

経済・ビジネス

近年順調に伸びていた日本の農林水産物・食品の輸出だが、2019年上半期(1-6月)は微増にとどまる結果に。政府目標である1兆円の達成に”黄信号”が灯っている。

農林水産省の発表によると、2019年上半期(1-6月)の農林水産物・食品の輸出総額は、前年同期比2.9%増の4486億円となった。伸び率は、通年で9068億円だった前年の上半期(15.2%増)に比べ大幅に鈍化しており、政府が目標に掲げる19年の1兆円達成は厳しくなっている。

輸出総額のうち、農産物は前年同期比9.0%増の2864億円、林産物は4.3%増の193億円、水産物は7.5%減の1430億円。落ち込みが目立ったのは植木、切花などの花き類で、23.6%減の68億円。水産物では、米国の豊漁が響いたホタテ貝、日本の国内需要が増したサバなどが、前年比20-30%も輸出額を減らした。

牛肉の輸出は前年同期比22.2%増の132億円、日本酒は同15.4%増の121億円と、好調を維持した。

主な品目別の農林水産物・食品輸出額(2019年1-6月)

金額(億円) 対前年同期増減率(%)
増加 ブリ 112 34.3
牛肉 132 22.2
日本酒 121 15.4
菓子 92 13.5
清涼飲料水 152 12.7
減少 ホタテ貝 179 ▲ 30.0
サバ 149 ▲ 27.4
植木など 62 ▲ 25.9
イチゴ 15 ▲ 18.7
カツオ・マグロ類 72 ▲ 15.1

農林水産省調べ

輸出先の上位3カ国・地域は香港、中国、米国の順で、輸出額は香港が前年同期比2.7%増の1011億円、中国が9.6%増の721億円、米国が12.1%増の626億円。日本との対立が続く韓国は台湾に次いで5番目の輸出先だが、輸出額は2.7%減の296億円だった。

バナー写真:ニューデリーで開かれたイベントで、日本酒を試飲するインド人女性=2019年9月4日(時事)

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