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公立学校のエアコン設置78.4%に:政府の熱中症対策強化で

社会 教育

文部科学省の調査によると、2019年9月1日時点で公立学校普通教室のエアコン(冷房)設置率は78.4%で、前年より18.2ポイント増加した。

猛暑が続いた2018年夏は児童・生徒の熱中症が相次ぎ、政府は補正予算で「全普通教室にエアコンを設置したい」と導入推進のための補助金(総額822億円)を計上。これが弾みとなり、全国で設置が進んだ。同省は、20年3月末には「普通教室での設置率は9割に達する見込み」としている。

補助金の対象となったのは、公立の幼稚園と小学校(義務教育学校を含む)、中学校、高校、特別支援学校。

9月1日時点のエアコン設置状況は、普通教室(全42万7187室)では33万4936室で、設置率78.4%。特別教室など(全41万3843室)では20万9055室で、設置率50.5%(前年比6.5ポイント増)。体育館(全3万4429室)は3.2%(前年比1.2ポイント増)にとどまった。

学校種別で比較すると、設置率が高いのは、特別支援学校の普通教室(89.7%)や幼稚園の保育室(89.2%)など。一方、設置率が低いのは、高校の特別教室(43.7%)や小中学校の特別教室(48.5 %)で、5割に満たなかった。高校と小中学校の普通教室を見ると、設置率はそれぞれ83.5%と77.1%で、小中学校の児童生徒の学習環境の方が、依然としてやや厳しい現状にあることが明らかになった。
地域別でみると、昨年は北海道から九州までの広い地域で「普通教室のエアコン設置率0~40%」の都道府県が見られたが、今回調査では関東以南の都府県は全て40%以上に。東京都、滋賀県、香川県では設置率100%となった。

バナー写真:(tomwang/PIXTA)

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