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1964年の東京五輪は涼しかった!

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10月の第2月曜日は体育の日。もともとは1964年の東京五輪開催を記念して制定された祝日だ。気象庁のデータからも、スポーツをするのにふさわしい時期であることが読み取れる。

青く澄みわたる空、心地よく吹き抜ける風。スポーツの秋、到来!

55年前の1964年10月10日、日本で初開催となった東京オリンピックが開幕した。64年の五輪会期中(10日~24日)の気温の推移を見ると、最高気温は20度前後の日が多く、最も気温が高かったのは大会6日目(10月15日)の23.3度だった。最低気温はほぼ10~15度の間で推移した。

東京五輪2020は真夏の開催だ。来年の五輪開催期間に相当する2019年7月24日から8月9日までの気温の推移を見ると、最低気温が64年五輪開催期間の最高気温よりも高い。東京都心では全日30度以上の真夏日で、35度以上の猛暑日も6日あった。

暑さは記録への影響はもちろんのこと、選手の体調や安全確保の面でも懸念材料だ。東京五輪2020に向けて19年8月に開催されたトライアスロンのテスト大会では、暑さ指数の予報を踏まえて、レース前日になって女子のランを半分の5キロに短縮する決定がなされた。

気温に加えて8月開催と10月開催で大きく異なるのが台風だ。2015~19年の5年間でみると、年間の台風発生数の約6割が7-9月の3カ月に集中している。サーフィンやカヌーなど競技では特に波や風の影響が大きいほか、交通機関の乱れは選手や観戦客の移動にも支障をきたす可能性がある。

振り返ってみると、1964年の東京五輪はスポーツの祭典にふさわしい時期に開催されていたことが分かる。2020年大会に向けて、東京都はミストシャワー機設置や道路の遮熱性舗装など暑さ対策に取り組んでいるが…。あとは、平年よりも少しでも涼しめの夏であるようにと祈るばかり?

バナー写真 : 時事

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