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2018年度の医療費42兆6000億円に:2年連続で最高額を更新

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国民一人あたりの概算医療費は、2018年度の実績で33万7000円と、前年度より4000円増えた。全体額も過去最高を更新し、歯止めがかからない。

厚生労働省がこのほど発表した「医療費の動向」によると、2018年度に医療機関に支払われた概算医療費は、前年度より3000億円増えて42兆6000億円となり、2年連続で過去最高を更新した。伸び率は0.8%と、前年度(2.3%)よりは鈍化した。

国民一人あたりの医療費は前年度比4000円増の33万7000円。75歳未満が22万2000円だったのに対し、75歳以上では4倍以上となる93万9000円に達した。

概算医療費は労災や全額自費などを除いた医療費の速報値で、約1年遅れて発表される医療費全体の確定値である「国民医療費」の98%に相当する。高齢化や医療技術の高度化により増加傾向にあり、今後も増え続けると予想されている。

14年度の一人あたり診療費は31万4000円で、この5年間で2万3000円、率にして7.3%増えたことになる。

医療費の伸び率を診療費別にみると、18年度は医療費全体の2割弱を占める薬剤費が前年度比マイナス3.1%と減少に転じた。しかし医科診療費は同1.5%増、歯科診療費が1.9%増となり、医療費全体の額は膨らんだ。

同時に発表した17年度の国民医療費は、前年度比9329億円(2.2%)増の43兆710億円で、過去最高となった。国民一人あたりでは前年度比7900円(2.4%)増の33万9900円。国民医療費の国内総生産に対する比率は、前年度の7.85%から7.87%に上昇し、国民所得に対する比率は10.77%から10.66%に下がった。

バナー写真:(シルバーブレット/PIXTA)

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