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韓国からの訪日客が6割減―9月 : W杯効果で訪日客全体では5.2%増

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訪日客の約4分の1を占めていた韓国人の旅行者が急減している。8月は前年同月比5割減、9月は同6割減となった。日韓の政治的な対立が、民間の往来にも影を落としている。

日本政府観光局が16日公表した2019年9月の訪日外国人数(推計値)によると、韓国からの訪日客は前年同月比58.1%減の20万1200人だった。48.0%減の30万8700人だった8月に続き、2カ月連続で大幅な落ち込み。

日本政府は8月初旬、韓国を貿易管理上の優遇対象国から外すことを決定。一方、韓国は軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を通告するなど2国間の関係悪化が深刻化している。このため、民間レベルでも日本への旅行を回避する動きが急激に広まっている。夏以降、韓国のLCC(格安航空会社)を中心に日本路線の減便も相次いでいる。

一方、訪日客全体では、ラグビーW杯2019の開催で、出場国からの訪日客数が増加したことや、中国・東南アジア市場の堅調が続いていることから、5.2%増の227万2900人となった。国別では、米国が前年同月日21.6%増(12万7200人)、英国84.4%増(4万9600人)、フランス31.6%増(2万6500人)、ロシア39.0%増(1万500人)、中国25.5%増(81万9100人)などの伸びが目立った。

2018年は地震や台風などの自然災害が相次いだことから、韓国からの訪日客は夏から秋にかけて対前年比で落ち込んだものの、通年では753万9000人と過去最高を更新。訪日外国人全体の約4分の1を占めていた。

政府は東京五輪開催の2020年に「年間の訪日客4000万人」の目標を掲げているが、一大市場である韓国からの旅行者の落ち込みは痛手となりそうだ。

バナー写真 : 時事

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