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がん患者 若年成人では女性が75%

社会 医療・健康

15~39歳の思春期・若年成人を指す「AYA(Adolescent and Young Adult)世代」で、がん患者のうち75.9%が女性となっていることが分かった。全世代では男性患者の割合がやや多いが、AYA世代に限ると大きく逆転している。

国立がん研究センターと国立成育医療研究センターが10月、2016年と17年の院内がん登録のデータ(計844施設)を集計した報告書を発表した。対象は、初回治療を開始したがん症例のうち40歳未満のがん計8万3489例。従来の報告書では20歳を境に未成年/成人として分類してきたが、今回初めて、15歳を区切りに小児/AYA世代として分けた。

報告書によると、小児がんは6667例、AYA世代のがんは7万6822例。小児がんでは男女の偏りはほぼなく、女性の割合は44.6%だったが、AYA世代のがんでは女性が75.9%を占めた。全世代でも女性の割合は約43%(2016年の統計)にとどまっていることから、AYA世代での女性患者が突出して多くなっていることが浮き彫りになった。

がん患者の年齢別割合を見ると、AYA世代の中盤にさしかかる25~29歳で14%と急増し、30~34歳は27%、35~39歳は43%と、年齢が上がるにつれて飛躍的に増加する。AYA世代に限ると、その70%が30歳以上となっている。

報告書で両センターは、「25歳以降のがんの急激な増加は、女性における子宮頸がんと乳がんの増加によるものと考えられる」と指摘している。

バナー写真:(utah51/PIXTA)

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