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日本人の英語力、非英語圏で53位に後退:スイスの教育機関調査

社会 教育

非英語圏の100カ国・地域の中で、日本人の英語力は53位という調査結果が出た。前年より順位を落とし、韓国、中国よりも下位のレベルだ。

国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」(本部・スイス)の2019年調査によると、英語を母語としない100カ国・地域のうち、日本人の英語力は、前年の49位より4つ順位を落として53位となり、4年連続で5段階中4番目となる「低い能力レベル」と認定された。

調査は世界100カ国・地域の計230万人がオンライン上で受験した無料テストのデータを分析し、「英語能力指数」としてまとめた。受験者の地域別の割合は欧州33%、アジア25%、中南米19%、アフリカ13%、中東10%。年齢の中央値は23歳だった。

アジアの国・地域の結果をみると、最高がシンガポールの5位で、次いでフィリピン(20位)、マレーシア(26位)、香港(33位)などの順。韓国は37位、中国は40位で、いずれも日本を上回っている。日本は初回調査の2011年は14位だったが、当時約40カ国だった参加国が次第に増えるとともに順位を下げてきている。

2019年の世界主要国の英語力ランキング

1 オランダ 16 ルーマニア
2 スウェーデン 17 セルビア
3 ノルウェー 18 ケニア
4 デンマーク 19 スイス
5 シンガポール 20 フィリピン
6 南アフリカ 26 マレーシア
7 フィンランド 33 香港特別行政区
8 オーストリア 34 インド
9 ルクセンブルグ 37 韓国
10 ドイツ 38 台湾
11 ポーランド 40 中国
12 ポルトガル 41 マカオ特別行政区
13 ベルギー 52 ベトナム
14 クロアチア 53 日本
15 ハンガリー 54 パキスタン

非英語圏:21位以下はアジアのみを抜粋
EFエデュケーション・ファーストのEF EPI英語能力指数

日本人の英語力の不足については以前から指摘されており、文部科学省も2020年度からの小学校での英語必修化や、学校での英語学習にICT(情報通信技術)の活用をうながすなど、具体的な方策を相次いで打ち出している。

同省が今春に発表した18年度の「英語教育実施状況調査」によると、全国の公立中学・高校生の英語力は、中3で「英検3級相当以上」だった生徒は17年度比1.9ポイント増の42.6%、高3で「英検準2級以上」だった生徒は0.9ポイント増の40.2%と、ここ数年来の上昇傾向を維持した。しかし、いずれも同省が目標とする50%には届かなかった。

中学生・高校生の英語力推移(%)
(中学生は英検3級相当以上、高校生は英検準2級相当以上の割合)

調査年度 中学生 高校生
2013 32.2 31.0
2014 34.6 31.9
2015 36.6 34.3
2016 36.1 36.4
2017 40.7 39.3
2018 42.6 40.2

文科省「2018年度英語教育実施状況調査」より

バナー写真:(土風/PIXTA)

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