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山岳遭難高止まり : 半数が60歳以上

社会

山の中でも携帯電話が通じやすくなり、登山やハイキング中の軽微なけがなども通報しやすくなった。でも、油断と慢心は禁物!

警察庁のまとめによると、2018年に発生した山岳遭難は2661件で、遭難者数は3129人。いずれも統計の残る1961年以降最も多かった。遭難者数は2009年からの10年間で約1.6倍に増えた。

携帯電話のアンテナの整備が進み、通話可能エリアが拡大したことから、かつては現場で解決していたような案件が容易に通報しやすくなったことを件数増の要因の一つとして指摘する声がある。

ただ、遭難者の年齢層別の内訳を見ると、70歳代(22.3%)が最も多く、60歳代(22.1%)、50歳代(15.5%)と続く。死者・行方不明者では60代以上が7割強を占めるなどシニアの事故が目立つ。警察庁では、「万全な装備をした上で、気象条件や体力に見合った登山計画を立てることが重要」と呼び掛けている。

外国人の遭難者は169人で、5年前の約5倍だった。観光の延長で十分な装備もなく富士山に登ったり、世界でも最高レベルと言われるパウダースノーを求めてスキー場の管理区域外で「バックカントリースキー」を楽しむうちに遭難するケースが増えている。

バナー写真:PIXTA

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