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犯罪白書:2018年の刑法犯は前年比1割超も減少、再犯者率は上昇続き5割弱に

社会

日本の犯罪件数は、16年連続で減少している。防犯カメラの普及で、自転車盗や空き巣の件数が減り続けていることが主因という。一方でドメスティック・バイオレンス、児童虐待など、家族内の暴力事件は大きく増加している。

法務省が公表した2019年版犯罪白書(概要)によると、18年の刑法犯認知件数は前年の91万5042件から約11%減って81万7338件となり、戦後最少を更新した。2002年の285万4061件をピークに、16年連続の減少で、認知件数のうち窃盗が58万2141件と7割強を占めた。

検挙者の総数は、前年の21万5003人から20万6094人に減少。総数のうち初犯者は10万5493人(前年11万229人)、再犯者は10万601人(同10万4774人)だった。

検挙者のうち再犯した人の割合を示す再犯者率は、前年より0.1ポイント増えて48.8%。1997年以降、再犯者率は一貫して増え続けており、平成期では最悪の数字となった。

配偶者間で起きた暴力事件などの2018年の検挙件数は8229件で、前年(7738件)より6.3%増、30年前の1989年と比べて11.9倍となった。被害者はこの30年間を見ると7~9割が女性で、2018年も約9割が女性だった。

18年の児童虐待の検挙件数は1380件、検挙人数は1419人で、いずれも前年より2割以上増加した。罪名別では、暴行事件が非常に増えている。

バナー写真:警察官が刺され拳銃を奪われた千里山交番周辺を調べる大阪府警の捜査員=2019年6月16日、大阪府吹田市(時事) 

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