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交通事故死、過去最少の3215人 : 安全装置の普及も奏功

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交通事故による死者は最少を更新。ただ、政府が目標とする「20年に2500人以下」には、さらなる対策が必要。

2019年の交通事故による死亡者の数は前年比317人減の3215人で、3年連続で統計が残る1948年以来の最少を更新した。人口10万人あたりの死亡者数も2.54人と過去最少。10万人あたりの死亡者数が最も多かった1970年(16.33人)の約6分の1以下となった。

交通事故による死亡者数は、1950年代から60年代にかけて自動車の普及とともに急増。「交通戦争」とまで呼ばれるほどだった1970年に最多の1万6765人を記録。その後、歩行者を守るためのガードレールの設置、交通違反の厳罰化などで減少に転じた。

交通事故発生件数は自動車保有台数の増加とともに増加し、2004年には95万2720件を記録。ただ、運転席・助手席のシートベルト着用が、1985年高速道路・自動車専用道路で義務化、1992年一般道で義務化されたことに加えて、1990年代中盤頃からエアバッグの普及が急速に進むなど安全装備の向上などがあり、死亡者数は漸減。また、近年は衝突軽減ブレーキ、車線はみ出し警報などの予防安全技術が進化していることや、ドライブレコーダーの搭載が進むなど安全意識の高まりも奏功しているとみられる。

65歳以上の高齢者の死者数は前年より184人減の1782人となったが、死者全体に占める割合は55.4%に高止まりしている。政府が目標とする20年交通事故死者数2500人以下を達成するには、さらなる、高齢者事故対策が欠かせない。

バナー写真 : PIXTA

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