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子どもの視力ますます悪化:虫歯は減少―2019年度学校保健調査

社会

日本の子どもの視力悪化が止まらない。一方で虫歯は減っている。生活習慣の変化が影響しているとみられている。

文部科学省の2019年度学校保健統計調査(速報値)によると、裸眼視力1.0未満の子の割合は、小学生で34.57%、中学生で57.47%、高校生で67.64%と、いずれも過去最高を更新した。

割合はこの5年間で小学生、中学生、高校生いずれも4ポイント以上上昇した。同省では、近い距離からスマートフォンの画面を長時間見たり、読書をしたりするなどの生活習慣と関係があるのではと分析。対応策を検討するため、20年度に新たな追跡調査を行うという。

一方、子どもの虫歯は、ピーク期にあった1980年代から減少傾向が続いている。虫歯り患率(虫歯になった人の割合。処置が完了している人も含む)は小学生で44.82%、中学生34.00%、高校生43.68%で、いずれも前年度より減少。中高は過去最低となった。

公立の小中学校が虫歯予防指導に力を入れるようになったことや、虫歯になりづらい人工甘味料の普及、虫歯予防に効果があるとされるフッ素配合の歯磨き粉が広く出回るようになったことなどが、虫歯減少の要因と言われている。

身長、体重などの発育状態は、近年はほぼ横ばいが続いている。代表的な各年齢の平均値は次の通り。

身長・体重の平均値

身長(センチ) 体重(キロ)
幼稚園(5歳) 110.3 18.9
109.4 18.6
小学校(11歳) 145.2 38.7
146.6 39.0
中学校(14歳) 165.4 54.1
156.5 50.1
高校(17歳) 170.6 62.5
157.9 53.0

(2019年度学校保健調査)

調査は、19年4月から6月にかけ全国の幼稚園児と小中高校生が受けた健康診断の結果から抽出したデータを分析した。

バナー写真:(A_Team/PIXTA)

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