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訪日中国人、この12年で10倍増 : 2019年の旅行消費額は1兆7700億円に

経済・ビジネス 社会 国際

中国の新型コロナウイルスによる肺炎の流行が、世界経済の先行きに暗い影を落としている。2019年の訪日外国人の3割を占めた中国人客が激減すれば、日本にとっても痛手は大きい。

2019年に日本を訪れた中国人は959万4300人(速報ベース)と過去最高を記録、訪日客全体の3割を占めた。訪日中国人は07年には94万2439人と100万人に届かない水準だったが、そこから12年で10倍に増えたことになる。特に、2014年以降は増加ペースに勢いが付いていた。

19年の訪日中国人の旅行消費額は1兆7718億円で、訪日客全体(4兆8113億円)の36.8%を占めた。春節(旧正月)の休みに日本にやってくる中国人の「爆買い」が話題になり始めた2012年の消費額は2688億円だった。客数の増加とともに、消費額も急激に膨張している。

新型コロナウイルスによる肺炎の流行を封じ込めるため、中国政府は1月27日から国民の海外団体旅行を禁止した。春節の休みを利用した中国からの旅行客を待ち構えていた日本の観光地ではキャンセルが相次ぎ、大打撃を受けているという。今後、肺炎の流行が長期化すれば、日本の観光産業のみならず、世界経済全体の下押し要因ともなりかねない。

ちなみに、2015~19年の各月ごとの訪日中国人客数を見ると、最も客数が多いのは春節の時期ではなく、7~8月の夏休みシーズンだ。折しも、20年夏は東京五輪・パラリンピックの開催時期とも重なる。その頃までには、肺炎の流行は収束しているだろうか。

バナー写真 : 2019年の春節休暇の時期に、中国人観光客でにぎわった東京・銀座の百貨店の化粧品売り場(時事)

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