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中国客が9割減、新型コロナ影響深刻 : 2月の訪日観光客

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「2020年4000万人の訪日観光客」を掲げていた政府目標の達成は絶望的だろう。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で主力の中国人観光客は9割減。3月は欧米からの旅行者もさらなる減少が見込まれる。

日本政府観光局のまとめによると、2月の訪日外国人客は、前年同月比58.3.%減の108万5100人だった。日韓関係の悪化を背景に2019年8月以降、韓国人客が大きく落ち込んでいたことに加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で頼みの中国人客も消えてしまった。減少率は東日本大震災後の2011年4月(62.5%減)に次いで過去2番目。

中国人客は前年同月比87.9%減の8万7200人と記録的な落ち込み。中国政府が海外への新型コロナウイルス拡散を防ぐため、1月27日から団体ツアーや航空券とホテルのパッケージ商品の販売を禁止したことで、観光目的の訪日は軒並みキャンセルとなった。

中韓以外のアジアの国・地域も航空便減便の影響や旅行控えムードが強まり、台湾44.9%減、香港35.5%減、シンガポール24.9%減など大幅減となった。フィリピンは航空座席供給量の増加などがあり月前半が好調で12.9%増の3万9700人と、2月として過去最高を記録したが、月後半からは感染症拡大の影響が出始めているという。

欧米でも訪日旅行を控える動きが広がり、米国は同20.8%減、英国21.0%減、ドイツ18.6%減など落ち込みが大きかった。

3月は新型コロナウイルス感染症の"震源地"が欧州に移っており、世界が事実上の鎖国政策に入っている。今後、一段の訪日客の減少は避けられそうにない。

バナー写真 : 外国人観光客激減で閑散とする浅草の仲見世通り(時事)

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