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ネット不正送金被害が多発:フィッシングが横行し2019年は5.5倍増の25億2100万円

社会 経済・ビジネス

インターネットバンキングの利用者をだまして偽のサイトに誘導し、IDやパスワードを入手して口座内の残高を抜き取る「不正送金」犯罪が急増している。

警察庁の調べによると、2019年のインターネットバンキングの不正送金被害件数は、過去最高の14年に次ぐ1872件と、前年のほぼ6倍に。被害総額は約25億2100万円で、前年の5.5倍に達した。

被害は19年9月から急増。警察庁や金融庁の公式サイトによると、最近は銀行を装ったSMS(ショートメッセージサービス)などのフィッシングメールで利用者を偽のフィッシングサイトに誘導した上で、インターネットバンキングのIDやパスワード、ワンタイムパスワードといった本人確認用の情報を入力させる手口や、利用者のパソコンをスパイウェアに感染させてIDやパスワードを盗み取る手口が目立つという。

被害額の口座開設者別の内訳をみると、個人が圧倒的に多く24億4600万円を占め、法人は7500万円だった。送金先として把握した2399口座の名義人の国籍は、日本が58.6%と最多で、次いでベトナムの13.5%、中国の8.8%だった。

被害防止に向けて、警察庁と金融庁は「ウイルス対策ソフトを更新して最新の状態に保つ」、「ウイルススキャンを実施する」、「心当たりのないSMS等は開かない」といった対策を提示。特に金融庁は「金融機関がID・パスワード等をSMS等で問い合わせることはありません」と強調している。インターネットバンキングを利用する際には、銀行の正しいウェブサイトのURLをあらかじめブックマーク登録しておき、そこからアクセスする習慣をつけることも有効だ。

バナー写真:(kelly marken/PIXTA)

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