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名目賃金が6年ぶり減少:2019年、労働時間の減少で

経済・ビジネス

日本の賃金は、他の主要国と比較しても伸び悩んでいる。労働時間の減少という要因はあるにせよ、2019年の名目賃金は6年ぶりに減少に転じた。

厚労省の毎月勤労統計調査(速報)によると、2019年の労働者1人当たりの「現金給与総額」(名目賃金)は、月平均で32万2689円だった。前年比0.3%減で、6年ぶりのマイナスだった。1人当たりの月間総労働時間は、同2.2%減の139.1時間。働き方改革が一定程度進み、時間外労働を減らす企業が増えたことなどが給与減少の要因とみられる。

基本給を意味する所定内給与は0.1%減の24万4485円で、これも14年以来5年ぶりに前年を下回った。残業や休日出勤を含む所定外給与は0.8%減の1万9740円だった。

産業別にみると、給与総額が最も高かったのは「電気・ガス業」の56万3085円(前年比1.1%増)、次いで「情報通信業」の49万2294円(同1.4%減)となり、最も低かったのは「飲食サービス業」の12万5263円(0.7%減)、次いで「生活関連サービス業」の21万612円(1.9%増)となった。

名目賃金から消費者物価指数を除いた実質賃金も前年比0.9%減となり、0.2%増だった前年からマイナスに転じた。また、月間総労働時間のうち、所定時間内労働時間は128.5時間(2.2%減)、所定外労働時間は10.6時間(1.9%減)だった。

日本の賃金は他の主要国と比較しても伸び悩んでいる。経済協力開発機構(OECD)の統計によると、日本の2018年の平均年間賃金は4万600ドルで、2000年(4万500ドル)から0.2%のアップしかない。米国の6万3100ドル(2000年は5万3900ドル)、ドイツの4万9800ドル(同4万3300ドル)、フランスの4万4500ドル(同3万7100ドル)など他の先進国と比べ、低い水準となっている。

バナー写真:(CORA/PIXTA)

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