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皇室観「関心」「親しみ」「身近」が7割

社会 皇室

元号が平成から令和に移って5月で1年。2019年秋に行われた調査で、7割が皇室を好意的にとらえ、女性天皇や女系天皇を認めている人も7割に上ることが分かった。一方、女系天皇の意味を知っている人は4割にとどまるなど、制度が十分に理解されていない現状も浮き彫りになった。

調査は、NHK放送文化研究所が2019年10月22日の「即位礼正殿の儀」を前にした9月の2日間に、電話で実施した。全国の男女2790人が対象で、このうち55.2%にあたる1539人から回答を得た。(続く数値はいずれも小数第一位を四捨五入したもの)

皇室への関心について、「大いに関心がある」と「多少は関心がある」は合わせて72%、「関心がない」「まったく関心がない」は合わせて27%だった。「(大いに、もしくは多少は)関心がある」と答えた人のうち、男性は67%、女性は76%で、女性の方がより高い関心を持っていた。年齢別では、おおむね高い年層ほど関心が高かった。

親しみについては、「とても親しみを感じている」と「ある程度親しみを感じている」は合わせて71%で、「あまり親しみを感じていない」と「全く親しみを感じていない」は合わせて27%だった。「(とても、あるいはある程度)親しみを感じている」と答えた人のうち、男女で大きな差はみられなかったが、関心のデータと同様に、年層が高くなるにつれて親しみも高くなる傾向が見られた。

女性が天皇になるのを認めることについて、「賛成」は74%で「反対」(12%)を大きく上回った。「賛成」は18~29歳が90%と最も多く、どの年層でも70%を超えた。「反対」が比較的多かったのは70歳以上で、16%を占めた。

女系天皇の意味については、「あまり知らない」と「全く知らない」が合わせて52%で、「よく知っている」と「ある程度知っている」を合わせた42%を上回った。一方で、女性天皇の子どもが皇位を継承すること(女系天皇が即位すること)を認める賛否については、「賛成」が71%、「反対」が13%。「よく知っている」人に限ると「反対」が29%に上り、全体に比べて多かった。

2019年4月の天皇退位は、皇室典範特例法に基づく一代限りの退位だった。これについて意識を聞いたところ、「そのつど判断すべき」が64%と最も多く、「制度化すべき」は25%にとどまった。また、安定的な皇位継承のために皇室制度を改める必要があるかを聞いたところ、「改める必要がある」が54%と過半数を占め、「改める必要はない」は31%だった。

バナー写真:即位に伴うパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」で、沿道に集まった人たちに手を振られる天皇、皇后両陛下=2019年11月10日、東京都港区(時事)

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