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運転免許保有者数が減少:懸念されるトラックなどのドライバー不足

社会

1969年から一貫して増え続けてきた運転免許保有者数が2019年、始めて減少した。一種、二種ともに普通免許は引き続き増加しているが、大型などそのほかの種類で減っている。一方で、運転経歴証明書の交付件数は増加が続いている。

警察庁が毎年3月に発表する運転免許統計によると、運転免許保有者数は2019年、前年比で約15万人減の約8216万人だった。1969年(約2478万人)以来一貫して増加していたが、2014年ごろから増加ペースが緩やかになっていた。なお、この数値は、普通免許のほか大型や二輪など全ての運転免許を含み、1人で複数の免許を受けているケースでは、上位の免許のみをカウントしている。

保有者数が減った免許を種別ごとに見ると、公道で運転するための第一種免許と、営業用の自動車を運転できる第二種免許のいずれでも、2019年に前年比で増加したのは普通免許のみで、大型特殊、大型、小型特殊などの免許はいずれも減少した。例えば、第二種では大型は約87万人で前年比3%の減少だったが、普通は約4万4000人で同50%以上も増加した。

主な運転免許の種類

大型 トラック、バス、タンクローリー、ミキサー車など
大型特殊 ブルドーザー、クレーン車、ショベルカーなど
中型 中型トラック、マイクロバスなど
普通 乗用車、軽自動車など

一方、2002年に始まった運転経歴証明書の交付については、近年、著しい増加を見せている。制度開始後10年間ほどは、微増にとどまっていたが、運転免許証と同様の身分証明効力を持つようになった12年ごろを境に急増。その後、高齢ドライバーが関与した交通事故が報道されるようになった影響か増加傾向は続き、19年には、前年比16万件増の約52万件になった。

運転経歴証明書の年代別交付件数

2019年 2018年
65~69歳 53,903 27,115
70~74歳 148,013 74,354
75~79歳 107,525 95,738
80~84歳 116,116 93,514
85歳以上 71,472 55,474
全体 519,188 358,740

出所:警察庁・運転免許統計

バナー写真:(Fast&Slow/ PIXTA)

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