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5月1日時点の大学生の内定率は45.7%と低迷:コロナ禍で面接選考進まず

経済・ビジネス 社会

就職情報会社リクルートキャリアの調べによると、2021年春卒業予定の大学生の5月1日時点の就職内定率は45.7%と、前年同期より5.7ポイント低下。新型コロナウイルスの感染拡大で、採用活動が停滞したことが原因とみられる。

同社によると、大学生の新卒採用スケジュールが現行方式となった2017年卒以降、内定率が前年同月を下回ったのは初めてだという。

今回は学生モニター1080人から回答を得た。4月中に実施した就職活動についての回答を見ると、「面接など対面での選考を受けた」が前年同期から34.9ポイント減って35.2%となった一方、「Web上での面接を受けた」が前年同期から49.3ポイント増えて56.9%に上った。また、「個別企業の説明会・セミナーのうち、対面(社内、会場など)で開催されるものに参加した」は、24.5ポイント減って10.6%となった。

就職志望の大学生のうち就職活動を実施している割合を算出した就職活動実施率は、昨年同期より4.7ポイント低い77.4%。うち文系が3.5ポイント低い83.2%、理系が7.2ポイント低い64.2%だった。

内定率は、4月1日の時点では過去最高値となる31.1%だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて4月7日に政府が緊急事態を宣言して以降、採用活動の自粛が広がって伸び悩んだ。同社によると、企業の採用選考の進捗(しんちょく)が鈍くなっている様子が見られる。企業の人事担当者からは、オンラインのみの選考では内定まで出すことが難しいとの声が聞かれるという。

最新の5月15日時点の調査では、内定率はやや上昇して49.2%となったが、なお前年より低い水準。この時点での就職活動実施率は75.6%だった。

バナー写真:新型コロナウイルス感染対策でパソコンを使って就職活動中の学生との座談会に参加した日立製作所の人事担当者(右)=2020年3月6日、東京都千代田区(時事)

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