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「政府、専門家はもっと説明を」:新型コロナで子どもアンケート

社会

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて学校が休校となり、長期間の外出自粛を余儀なくされた子どもたち。彼らを対象にしたアンケートでは、状況の説明や、詳しい情報を求める声が多く聞かれた。

アンケートは子どもの支援を専門にする国際NGO、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが3月後半に実施。新型コロナウイルス感染拡大による影響が広がる中、「子どもたちが何を考え、学校の再開や進級・進学、また卒業後の生活についてどのように感じているのかを明らかに」することなどが目的だった。

全国の小学生以上の子ども(おおむね18歳まで)を対象に、インターネットと郵送でアンケート用紙を配布し、回答を回収した。郵送先は同団体の活動で直接つながっている子どもたちや学童保育の関連団体などで、全体の有効回答数は1422件だった。

自由回答の集計・分析では、設問を横断した回答が複数見られたため、回答全体をカテゴリー分類した。大きく分けた大カテゴリーの一つ「新型コロナウイルス対応策に関する要望」は、全体の回答のうち757件(53.2%)に上った。そのうちの、小さく分けた小カテゴリー「情報提供や意見尊重の必要性」についての要望は132件(9.3%)あり、年齢が上がるにつれて要望する割合が上昇。高校生世代では2割を超えた。

高校生世代の記述には、「政府には事態が予測不可能で対応に追われるのは分かるけど、あまりに突然なことが多くて気持ちが休まらない。計画的な話を聞きたい。 (高2・神奈川県)」「失われた教育機会に見合っただけの成果(感染拡大をある程度防ぐこと)が得られたのか、専門家がしっかり調査して、教育機会が失われた子ども(私)にきちんと説明して欲しい。(高2・鹿児島県)」などがあった。

年齢の低い子どもたちの記述でも、突然の生活変化への戸惑いや怒りともとれる表現が見られ、「コロナはどこからきたのか子どもにも教えてほしい。(小1~小3・愛知県)」「次に同じようなことが起きた時には、突然でなく、そしてどうしても休校しなくてはいけない理由をきちんと話してからにして欲しい。(小2・神奈川県)」などの声があった。

同NGOは「現在起きていることを理解するための十分な情報提供や、意見を聴かれ考慮される機会(子どもの権利条約第12条)が提供されているのかなど、感染症対策において子どもたちが当事者と認識されているのかを、改めて社会に対して問う結果となった」としている。

バナー写真:緊急事態宣言解除により小学校が再開され、教室で着席し事前録画した校長先生の映像を見る児童ら=2020年6月1日、東京都品川区(時事)

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