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慣れないオンライン授業に戸惑い―18歳意識調査 : 休校で最も困ったこと

教育 社会

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除され、全国の学校も分散登校やオンライン授業併用など工夫をしながら授業を再開している。政府の要請で突然の臨時休校となったのが3月2日のこと。最初は「ラッキー!」と思った休校も、長引くにつれて不安や退屈が勝ったのでは?

2月27日の夕方、安倍晋三首相が全国の小中学校に3月2日からの臨時休校を要請した。その時は、まさか、休校期間が3カ月にも及ぶとは誰も考えていなかったのではないだろうか。日本財団が「学校教育」をテーマに5月下旬に実施した18歳意識調査では、「休校で最も困ったこと」のトップは「学業」37.4%、 続いて「友達とのコミュニケーション」20.3%、 「受験や進学・就職」17.8%の順だった。

「学業」については、自由記述欄に「初のオンライン授業に戸惑った」「質問したいことがあっても先生に聞くことができない」「実技・実習中心の専門的な授業が多く、オンラインではなかなか授業ができない」などオンライン授業に関するものが多かった。一方で、「家にいると勉強時間が決まっていないので、サボってしまう」などの声も。

外出制限が行われた時の学習環境について聞いたところ、約8割の人が勉強などのための「オンラインツールがあり」「自宅学習の環境がある」としている一方で、「計画を立てて勉強や仕事」をしたり、「休校でも勉強への意欲を保つ」のはなかなか難しいようだ。

約6割が「休校措置により、教育格差を感じる」と回答。具体的には「私立はオンライン授業があるのに、公立は自習で頑張るしかない」「同じ公立高校でも3月からオンライン授業が始まったところと、5月に入ってやっと始まったところがある」との声があった。また、家庭の経済状況によって塾に行けるかどうかや、家に教えてくれる大人がいるかどうかも影響するなどの指摘もあった。

感染症拡大の影響で高校総体や高校野球など多くの大会が中止に追い込まれたことについては、「開催すべき」10.8%、「無観客や延期などの措置をとり開催すべき」37.2%だった。

部活動に取り組む当事者からは「今まで頑張ってきたのに何もせずに終わるのはいやだ」「プロ野球は開催されるのに、甲子園や他の部活の大会はやらないのはおかしい」との声が。一方、「3年になってやっとレギュラーを勝ち取れた人もいるのに」「部活動の成績で大学に行きたいと考えていた人もいるはず」など、部活で頑張ってきた人を応援する立場から開催を支持する人もいた。

バナー写真 : PIXTA

日本財団 オンライン 緊急事態宣言