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新型コロナの不安が旅行意欲に影落とす : 米国人より慎重な日本人

経済・ビジネス 社会

国内での新型コロナウイルス感染者は5月の連休明け以降、大きく減少している。5月25日に緊急事態宣言が全面解除され、 6月19日には全国的に都道府県をまたいだ移動自粛要請の解除も予定されている。ゴールデンウイークに "ステイホーム" を求められた分、早く旅行に行きたい気分になっている?

顧客満足度(CS)調査や消費者動向に関するリサーチ・コンサルティングのJ.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区)が、日本と米国で過去1年間に1泊以上の旅行をしたことがある人に、今後の旅行意向について聞いた。

「今後6カ月の旅行予定」については、プライベート目的とビジネス目的を合わせて、日本では58%、米国では62%が「予定がある」と回答。米国の方がやや上回っているものの、日本でも半数以上が旅行を予定している。

「6カ月以内に旅行の予定はない」と回答した人に理由を聞いたところ、「新型コロナウイルスの感染拡大が心配」が68%とトップ 、「感染拡大に伴う移動や出入国制限が改善するとは思わない」が52% と続いた。日本国内では緊急事態宣言が解除されても、 感染への懸念が旅行意欲に大きく影を落としている。一方で、 「旅行をする経済的余裕がない」は18% にとどまり、米国の41%を大幅に下回った。 感染不安が軽減されれば、日本では旅行需要が盛り上がる可能性がありそうだ。

6カ月以内に旅行を予定している人に、旅行中の感染をどの程度心配しているか聞いたところ、日本では「極めて心配」「とても心配」の合計が51%となり、米国の31%を20ポイントも上回った。米国では、プライベート旅行の人の「心配」の割合が低かったが、日本はビジネス、プライベートのいずれでも、約半数が「心配」している。

調査は、米国では感染爆発のまっただ中の4月、日本は国内感染者が大幅に減少し、政府が都道府県間の移動自粛制限解除の方針を示している6月に実施。調査結果には、心配性で慎重な日本の国民性がにじんでいる。

バナー写真 : ぱくたそ

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