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19年の認知症行方不明者1万7479人、7年連続増

社会

認知症の人が行方不明となり、家族などが警察に捜索願を出すケースは、2019年に全国で1万7479件。一日あたり47件以上に達している。

警察庁の調査「令和元年における行方不明者の状況」によると、2019年1年間の行方不明者(届け出受理ベース)は延べ8万6933人。そのうち、認知症に関わる行方不明者は1万7479人だった。統計を取り始めた12年の1.8倍となり、7年連続で過去最多を更新した。

行方不明届の受理当日に7割、一週間以内にほとんどの人が所在確認されたが、徘徊(はいかい)中に事故に遭ったり、急に具合が悪くなったりして460人が死亡した。認知症の行方不明者のうち、死亡が確認された割合は2.7%だった。

年齢別でみると、80歳以上が9367人(53.6%)で最も多く、70歳代が6822人(39.0%)、60歳代が1165人(6.7%)。わずかだが、50歳代の行方不明者も117人いた。前年に比べ、80歳以上の人数は増えたが、70歳代以下の人数は減っている。

認知症の有無に限らず、高齢者の行方不明者数は近年増える傾向にある。人口10万人当たりの行方不明者数を見ると、2014年は70歳代で56.9人、80歳代で73.8人だったものが、19年にはそれぞれ66.0人、108.2人に増加した。

厚生労働省によると、認知症は加齢とともに増え、65~69歳の有病率は1.5%、85歳では27%に達する。同省の推計では、65歳以上の認知症の高齢者数は、2012年の462万人から、25年には約700万人に増加する見込み。

バナー写真:(Erika/PIXTA)

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