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1住宅当たり面積は全国平均の7割 : 「密」な東京の厳しい住宅事情

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狭小住宅やワンルームマンションがひしめく都会から、地方に旅をすると、広々とした庭付きの一戸建てが並ぶ街並みがうらやましく思える。東京都総務局統計部発行の「くらしと統計2020」から、住宅事情に関係する項目を抜き出してみた。「密」な東京で「ゆったり」暮らすのは難しい。それでも、人が集まってくるのが都市の魅力なのか?

東京都の面積は約2190平方キロメートル。全国47都道府県の中で3番目に狭い(ちなみに、1位は香川県、2位は大阪府)。狭い東京に地方から多くの人が吸い寄せられるように集まり、1950年から2000年までの50年間に人口はほぼ倍増し、その後も増え続けている。人口密度は1平方キロメートル当たり6168.7人で、もちろん、47都道府県のトップ。最も少ない北海道68.6人の約90倍だ。

人口が増えれば当然、世帯数が増え、世帯数が増えれば、住宅数も増える。しかし、東京都の面積は変わらない。

狭いエリアに多くの世帯を収容するためには、上方向に延びるしかない。アパート・マンションなど共同住宅の階数別住宅数の推移を見ると、1998年以降、6階建て以上の増加が顕著で、高層化が進んでいることが分かる。

1住宅当たりの延床面積65.18平方メートルは47都道府県中47位で、全国平均の約7割にしか届かない。狭くても、価格は高いのでマイホームを手に入れるのは容易ではない。持ち家率は5割を切り、全国46位。

ゆったりとは暮らせなくても人を引き付ける、それが都市の魅力なのか。

  東京 全国平均 東京順位
1住宅当たり延べ面積 65.18m2 92.06m2 47位
持ち家住宅率 45.00% 61.20% 46位

出所 : 東京都「くらしと統計2020」

図表は「暮らしと統計2020」サイトで提供しているデータを利用して作成した

バナー写真 : PIXTA

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