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ホームレス最多は大阪市 : 全国では調査開始以来最少の3992人

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厚生労働省が2003年から実施している調査で、ホームレスの人の数はこれまでで最少の3992人だった。毎年、着実に減少しているのは、“ネットカフェ難民” など、路上にはいないけれど安定した住居を持たない新しいタイプのホームレスがカウントから漏れているとの指摘もある。 

厚生労働省は、ホームレスの自立支援に関する法律や施策の効果を継続的に把握することを目的に、定期的に全国調査(概数調査)を行っている。対象となるホームレスの人の定義は「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいるもの」。調査方法は、市区町村の担当者による巡回目視であるため、実際の数はさらに多い可能性もある。

同省が7月に発表した2020年1月の調査結果によると、全国のホームレスの人の数は3992人で、前年比12.4%の減少。調査開始の2003年から最小となった。このうち、男性が3688人と圧倒的に多く、女性は168人、防寒具を着込むなどして目視で性別を確認できなかった人は136人だった。

全国の都市別の分布状況では、大阪市が982人と、東京都23区を上回った。23区と政令指定都市は合計で3120人と全体の8割弱を占めたが、昨年比では11.6%減少した。

都道府県別でも大阪府の1038人が最多で、これに東京都の889人、神奈川県の719人が続いた。青森、秋田、山形、滋賀、鳥取、島根、高知の7県ではホームレスの人は確認されなかった。前年比で減少が大きかったのは東京都(237人減)、神奈川県(180人減)、埼玉県(39人減)など。

一方、起居場所別の人数を見ると、各場所で減少し、割合は昨年から大きな変化はなかった。数が多い順に河川(1020人)、その他の施設(986人)、都市公園(967人)、道路(796人)、駅舎(223人)だった。

バナー写真 : PIXTA

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