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入院激減は一段落でも、がんは減少幅拡大 : 医療現場の混乱8月は加速

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新型コロナ患者を受け入れた病院での医療関係者の奮闘ぶりはテレビや新聞などの報道でたびたび伝えられている。しかし、コロナ患者を受け入れていない病院にとっても環境激変の2020年。患者数の激減は一段落したものの、現場の混乱は続いているという。

病院経営コンサルティングのグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHCJ、本社東京)はコロナ流行が病院経営に与える影響を調査するため、全国544の大病院の診療記録データを分析。5月の入院症例減数は全体平均で前年比21.7%減まで落ち込んでいたが、 6月は14.0%減まで回復した。

ただ、症例別で見ると、本来は急ぎ治療が必要ながん(悪性腫瘍)については、入院の減少幅が拡大していた。3大がんで最も症例数が多い肺がんは、 前年同月比8.2%減で減少幅は前月比1.4ポイント拡大。 胃がんは同19.6%減で減少幅は同8.0ポイントの拡大、 大腸がん(虫垂含む結腸がん)は同9.8%で減少幅は4.1ポイント拡大した。 

GHCJでは、「病院側がコロナに医療資源を集中させるための受診抑制や、患者側の外出控え・受診控えの要因が薄まり、全体としての入院症例数は回復した。ただ、がんは手術や検診、 検査の延期が影響し、 数カ月遅れで症例数の減少につながっている可能性が考えらる」と指摘している。

また、全国の感染者数が再び増加に転じた8月に実施した病院アンケートでは、 医療現場の混乱状況が急激に高まっていることも明らかになった。「新型コロナの影響は落ち着いたか」との質問に対して、 7月時点では「少し混乱している」「かなり混乱している」の合計が全体の24.7%だった前回調査に対して、 8月は50.9%と倍増した。

こうした状況を受けて、入院患者との面会(見舞い)については、85.5%の病院が「原則禁止」としており、残る14.5%も感染拡大防止のため人数や回数を制限するなどの措置を取っていた。

バナー写真 : PIXTA

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