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秋・冬の交通死亡事故は夕暮れ時に多発:早朝も注意を

社会

日の落ちる時刻が早まる秋。日没前後1時間の「薄暮時間帯」は、交通事故が多発する。ハンドルを握るドライバーは、特に注意が必要だ。

警察庁が2015年から19年までの5年間の10~12月の交通事故発生状況を調べたところ、車と接触して歩行者や自転車の人が亡くなった交通事故の6割近くが業務中や通勤中の車によるもので、とりわけ夕暮れ時に多発していることが分かった。

同庁は日没前後1時間を「薄暮時間帯」と定義している。5年間全体の時刻別の死亡事故発生状況を分析した結果、日没時刻と重なる午後5時~7時台に多く発生していることや、薄暮時間帯に自動車と歩行者が衝突する事故が最も多く発生し、事故類型別では横断中がその9割を占めていることなどが明らかになったとしている。

10~12月は、夏から秋にかけての7~9月に比べて、午後4時~6時台と早朝の午前4時~6時台の歩行者および自転車の死亡事故の増加が顕著だった。特に日没後1時間の横断中歩行者の死亡事故件数が、7~9月と比べて倍増している。

同庁が作成した5年間の時間帯・月別の死亡事故件数の統計をみると、薄暮時間帯の事故の構成率は、6月が7.8%だったのに対し、11月は17.8%と2倍以上に跳ね上がった。自動車対歩行者・自転車の死亡事故における自動車運転者の通行目的別件数をみると、「通勤」(28.4%)と「業務(仕事)」(28.2%)を合わせて過半数を占め、以下「買い物」(11.9%)、「訪問」(8.3%)、「送迎」(5.5%)、「観光・娯楽」(5.4%)などが続いた。

同庁は、薄暮時間帯の事故防止に向け、ドライバーに対しては前照灯の早めの点灯を、歩行者や自転車利用者に対しては明るい目立つ色の衣服の着用のほか、杖やカバン、衣服、靴などに反射材をつけることを推奨している。

バナー写真:PIXTA

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