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2019年度の家庭のCO2排出量(世帯当たり)が減少:前年度比で3.4%

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世界規模での対策が課題となっている地球温暖化。2019年度の日本の家庭部門の二酸化炭素(CO2)排出量は、世帯当たり2.80トン(二酸化炭素換算、速報値)となり、2年連続で減少した。

環境省は、地球温暖化対策の立案基礎データとして、2017年度から「家庭部門のCO2排出実態統計調査」を実施している。それまで別々に調査されていた家庭のCO2排出量とその説明要因(住居人数など)が、この統計調査により一体的に把握できるようになったのが特徴。世帯構成や、住宅の建て方、電気などのエネルギー消費量のほか、家電製品別の使用状況など延べ496項目について調べている。

2020年9月に公表された19年度の調査結果(速報値)によると、世帯当たりの年間CO2排出量は、2.80トン(t-CO2=二酸化炭素換算)。前年度比で3.4%減、2017年度比で12.5%減となった。

エネルギー種別では、電気の使用によるCO2排出量が67.1%と圧倒的に多く、都市ガスは14.3%、灯油は12.9%、LPガスは5.7%だった。

排出量減少の背景には、エアコンや照明など電器機器の省エネ化の進展、各家庭での省エネの励行などがあるとみられる。

建物の建て方別にCO2排出量を比較すると、戸建住宅の世帯は3.51トン、集合住宅の世帯は1.93トンで、約1.8倍もの開きがあった。また、排出量を月別に比較すると1月が最大で、暖房で灯油を使用する12月から3月が高かった。

太陽光発電システムを使用している世帯は、戸建住宅で12.7%(集合住宅は0.0%)。LED照明を使用している世帯(他の照明との併用含む)は65%だった。

世帯当たりの年間CO2排出量を地域別に見ると、北海道4.66トン、東北4.01トン、関東甲信2.56トン、北陸4.25トン、東海2.72 トン、近畿2.21トン、中国3.79トン、四国2.96 トン、九州1.98トン、沖縄3.17トン(いずれも二酸化炭素換算)。寒冷地の値が特に高い傾向がある。

10地方すべてで、17年度から2年連続で減少した。17年度比で減少幅が大きかったのは、九州(28.5%減)、近畿(16.9%減)、北陸(15.8%減)だった。

政府の地球温暖化対策計画(2016年)では、CO2に代表される温室効果ガスの2030 年度の総排出量について、2013 年度比で26.0%削減することが目標。家庭部門では、約4割の削減が目安とされている。

バナー写真:住宅に太陽光パネルを設置する工事業者(Sunrising/PIXTA)

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