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マスクするなら、口紅は必要なし :2020年販売苦戦ランキング

経済・ビジネス 社会 暮らし

4月の緊急事態宣言が出た時期には、マスクや消毒用のアルコールが品薄になり、トイレットペーパーを求めてドラッグストアを何軒もハシゴする人が少なくなかった。その一方で、化粧品は総じて販売苦戦。マスクで顔が隠れてしまうなら、そんなに入念にメイクする必要もないという割り切りか?

市場調査会社のインテージが発表した2020年の「今年販売苦戦したものランキング」によると、1位は「口紅」で以下、2位がめまいや乗り物酔いを抑える「鎮暈剤(ちんうんざい)」、3位が「強心剤」などの順となった。コロナ禍の影響を大きく受けた結果だという。

金額前年比 カテゴリー 金額前年比 カテゴリー
44 (%) 口紅 82 (%) チューインガム
54 鎮暈剤 83 コンタクト用剤
63 強心剤 83 鼻炎治療剤
66 ほほべに 85 ミニドリンク剤
68 ファンデーション 85 乳液
72 化粧下地 87 果汁飲料
79 おしろい 87 パック
79 鎮咳去痰剤 88 制汗剤
79 総合感冒薬 88 スポーツドリンク
81 ビタミンB1剤 88 眉目料(アイメイク)

出典:「インテージ 知る Gallery」

全国約4000店舗から収集している小売店販売データを基に、食品や飲料、雑貨など日用消費財の売り上げを集計したもので、調査期間は2020年1~10月。

最も販売苦戦した口紅は前年から半減以下の44%。マスクをするため、口紅をつけない人が増えたことが理由として考えられ、メーカー側はマスクにつきにくい口紅の開発などの対応をとっているとしている。

化粧品関連では、口紅に加えて「ほほべに」「ファンデーション」「化粧下地」「おしろい」と10位以内に計5品目もランクインした。4月に発令された緊急事態宣言や在宅勤務の奨励により外出機会が減少し、化粧をすること自体が減ったことが要因として考えられるという。

ただ、マスクで顔の半分が隠れてしまう分、「目ぢから」は重要視されたようで、アイメイク関連の化粧品の落ち込みは比較的小さかった。

 一方、同社が同様の手法で集計し、先に発表していた2020年の「売れたものランキング」では、1位が「マスク」(前年比325%増)で、以下、2位「殺菌消毒剤」(202%増)、3位「体温計」(149%増)、4位「うがい薬」(120%増)、5位「ぬれティッシュ」(79%増)などが続いた。やはりコロナ禍を背景に、衛生関連の品目が驚異的な伸びを示した。

バナー写真 : PIXTA

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