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社長は赤坂に住んでいる! ―東京商工リサーチ調査 : 職住接近思志向で港区大人気

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郊外の閑静な住宅地に大邸宅を構え、運転手付きの車でゆったりと新聞を読みながら会社へ――という社長のイメージはもはや古いのか? 職住接近志向が強まっているようだ。

東京商工リサーチが全国390万社を対象にした「社長の住む街」調査で、トップとなったのは2017年の前回調査に続いて「港区赤坂」だった。3545人で2位以下に大差をつけた。「赤坂」を含め港区が10位以内に7つも入り、職住接近志向の強まりを示している。

11位以下では、「江東区豊洲」(27→13位)、「中央区勝どき」(22→14位)が前回調査から大幅ランクアップ。タワーマンションがひしめき、病院、公園、学校など生活インフラが充実している上、都心部へのアクセスが良いことが人気につながっているようだ。

一方、「世田谷区成城」(15→21位)はランクダウン。高級住宅地として知られ、落ち着いた環境が人気だが、職住接近志向が強まる中ではトレンドから外れつつあるのかもしれない。

社長の住む街ランキング(町村ベース)

  町村 社長数(人)
1(1) 港区赤坂 3,545
2(2) 新宿区西新宿 2,878
3(3) 港区六本木 2,784
4(4) 渋谷区代々木 2,674
5(5) 港区南青山 2,672
6(6) 港区高輪 2,525
7(13) 港区芝浦 2,370
8(7) 新宿区新宿 2,357
9(8) 港区三田 2,286
10(12) 港区南麻布 2,246

出所 : 東京商工リサーチ 順位の()は2017年の前回調査時のもの

市区郡別では、トップ10を東京23区が独占。最多の世田谷区は4万8878人だった。世田谷区は人口・世帯数とも23区で最も多く成城をはじめ閑静な住宅地としての認知度が高い。2位の港区は人口に対する社長比率が13.1%で、区民の10人に1人が社長という “社長だらけ” エリアと言えそうだ。3位は大田区。田園調布・山王などの高級住宅地を擁する一方、「ものづくりの街」として知られ、町工場などの中小零細企業の社長が住居を構えている。

社長の住む街ランキング(市区郡)ベース

  市区郡 社長数(人) 社長比率(%)
1 世田谷区 48,878 5.33
2 港区 34,111 13.10
3 大田区 26,472 3.60
4 新宿区 25,504 7.32
5 練馬区 25,324 3.42
6 渋谷区 25,314 11.02
7 杉並区 23,317 4.06
8 江戸川区 21,590 3.08
9 足立区 21,091 3.05
10 目黒区 20,370 7.24

出所 : 東京商工リサーチ / 2017年の前回調査時と順位は変わらずだった

東京商工リサーチでは、「多忙なビジネス中心の生活の中でプライベートを充実させるため、会社の近い利便性も重視して住まいを選んでいるようだ。都心部はセキュリティが高いマンションが多く、社長の世代交代も一因となっているとみられる」と分析している。

バナー写真 : PIXTA

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