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交通事故死、過去最少の2839人 : コロナで外出自粛も影響か

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2020年の交通事故による死者は過去最少を更新。ただ、政府が目標とする「20年に2500人以下」は達成できなかった。死亡者の過半数を65歳以上の人が占めており、高齢者の事故対策が重要だ。

2020年の交通事故による死亡者の数は前年比376人減の2839人で、4年連続で統計が残る1948年以来の最少を更新した。2000人台となるのは初めて。人口10万人当たりの死亡者数は、最も多かった1970年(16.33人)の7分の1以下の2.25人となった。交通事故件数は30万9000件(速報値)で、前年比2割近く減少した。

交通事故による死亡者数は、1950年代から60年代にかけて自動車の普及とともに急増。「交通戦争」とまで呼ばれるほどだった1970年に最多の1万6765人を記録。運転席・助手席のシートベルト着用が、1985年高速道路・自動車専用道路で義務化、1992年一般道で義務化されたことに加えて、1990年代中盤頃からエアバッグの普及が急速に進むなど安全装備の向上などがあり、死亡者数は漸減。また、近年は衝突軽減ブレーキ、車線はみ出し警報などの予防安全技術が進化していることや、ドライブレコーダーの搭載が進むなど安全意識の高まりも奏功しているとみられる。さらに、2020年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響で交通量が減少したこともプラスに働いたとみられる。

65歳以上の高齢者の死者数は前年より186人減の1596人となったが、死者全体に占める割合は56.2%に高止まりしている。さらなる死亡事故の抑制には、高齢者事故対策が欠かせない。

バナー写真 : PIXTA

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