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最も変化したのは「テレビ電話利用」の増加―博報堂「生活定点」2020年調査

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時代とともに変化する生活様式。それを2年ごとに定点観測している民間調査によると、2018年から2020年にかけて大きく変化した生活様式は、「テレビ電話(ビデオ通話)を利用している」(31ポイント増)がトップだった。過去最高/最低を更新する項目が目立ち、全体の変化総量も高い水準だった。

博報堂生活総合研究所は、1992年から時系列調査「生活定点」を実施している。これは生活者の意識や行動の変化を観測するために、約1400項目にわたる質問を隔年で聴取するもので、首都圏と阪神圏に住む20~69歳の男女を対象に行われている。直近で実施年にあたった2020年は、調査人数は2597人だった。

これによると、2018年から20年にかけて、最も変化した生活様式は「テレビ電話(ビデオ通話)を利用している」で、18年が15.0%だったのに対し、20年は46.0%と31.0ポイント増加した。そのほか変化量が大きかったのは「日常的に携帯電話やスマートフォンで支払いする」32.0%(21.3ポイント増)、「世の中に気がかりや不安が多い」77.7%(20.0ポイント増)、「最近1年間に在宅勤務をした」19.7%(16.7ポイント増)、「最近1年間にインターネットで買い物をした」66.6%(12.7ポイント増)」など。これらはいずれも過去最高だった。

 一方、過去最低を記録した項目もあり、例えば「会社の仕事を会社や家以外でやるのは非常識だと思う」は22.9%で、18年より6.5ポイント減。「今後、経済的に楽になると思う」も11.2%で、5.8ポイント減少した。

調査では、隔年の変化総量の比較も行った。1992年から比較可能な306項目について、前回調査との回答率の差分の絶対値を足しあげた値の比較。これによると、2018-20年は568.3ポイントで、1996-98年(643.8ポイント)、1998-2000年(623.6ポイント)に次いで高かった。

同社は、2020年の調査結果について「コロナ禍で気がかりや不安が高まる一方、生活全般のデジタル化を加速したり、従来の習慣によらない新しい体験を取り入れようとする生活者の姿が見えてきた」と総括。変化総量については、「生活者の変化の規模は、金融破綻などが起きた1996-2000年ごろに匹敵する大きなものとなった」と分析している。

バナー写真:PIXTA

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