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百貨店売上高、45年ぶり低水準 : コロナ緊急事態宣言で時短や休業

経済・ビジネス 社会

最初の緊急事態宣言が出された2020年4月の百貨店売上高は前年同月比7割減と史上空前の落ち込みを記録し、その後も客足の戻りは鈍かった。2021年1月に再びの緊急事態宣言、さらにリモートワークの広がりで「会社帰りにショッピング」といったライフスタイルにも影響が出そうだ。百貨店業界に試練は続く。

日本百貨店協会のまとめで、2020年の全国百貨店の売上高は前年比25.7%減の42204億円まで落ち込んだ。1975年(4651億円)以来45年ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各社とも春先に多くの店舗で時短営業や臨時休業を余儀なくされたことや、入国規制によるインバウンド需要の消失などが響いた。

商品別では、売上高全体の3割近くを占める主力の衣料品が31.1%減と大きく落ち込んだほか、身の回り品27.1%、化粧品39.1%も低迷。デパ地下の食料品は巣ごもり需要を取り込んで善戦し、なんとか15.9%減にとどまった。

月別では、最初の緊急事態宣言が発令された4月に前年同月比72%減、5月も65%減となるなど史上空前の落ち込みを記録。緊急事態宣言解除後はやや盛り返したものの、客足の戻りは鈍かった。10月は前年が消費増税の影響で17.5%減と落ち込んだため、反動増の押し上げ効果もあったが、前年実績には届かなった。

百貨店の売上高は、バブル経済末期の91年に97130億円を記録。バブル崩壊後のデフレ経済下では消費者の節約志向が強まり、売上高は漸減。2000年以降は、世界的なファストファッションブームやインターネット通販の台頭で百貨店離れがじわじわと進み、2016年以降は5兆円台で推移していた。

バナー写真 : 2020年4月の緊急事態宣言の際に臨時休業した伊勢丹新宿店。平日でもにぎわう新宿3丁目交差点付近が閑散としていた(時事)

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