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コロナ禍で外国人採用の意欲後退 : 求める日本語能力はネイティブ相当~ビジネス上級

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中国や韓国などの企業が国際舞台で活躍し、産業界は大競争時代を迎えている。日本企業も生き残りにはグローバル化への対応が避けて通れない。優秀な外国人の受け入れも課題の一つ。しかし、海外留学生の採用には、新型コロナウイルスの先行き不透明もあり、企業の慎重な姿勢が目立つ。

人材開発支援のディスコ(本社東京)は2020年12月、主要企業を対象に「高度外国人材の採用」についてアンケート調査した。回答した494社のうち20年度に外国人留学生を採用した企業は35.4%で、前年からは微増にとどまった。

19年度に翌年度の採用意向を調査した際には50.6%が「採用予定あり」と回答していたが、コロナ禍に見舞われ、実際の採用にはつながらなかったようだ。21年度に採用予定がある企業は39.2%で、採用意欲は後退している。

20年度の採用実績(予定も含む)を見ると、人数は「1人」が過半数を占め、全体の8割強が3人以内で、平均は2.57人だった。最終学歴は「文系学部卒」が49.4%で最も多く、理系修士課程了31.6%、理系学部卒29.1%と続く。「博士」の採用は極めて少ない。

外国人留学生を採用する目的を尋ねたところ、「優秀な人材を確保するため」が文系7割、理系8割と突出して多かった。「社内活性化」「ダイバーシティー強化」など、既成概念にとらわれない人材への期待があるようだ。

一方で、「留学生に求める資質」として「日本語力」「コミュニケーション能力」「協調性」が挙げられた。

日本語力は「ネイティブ相当」「ビジネス上級レベル」を期待する向きが多い。面接では「すべて日本語で実施している」が85.9%と大多数で、留学生には高いハードルが待ち受ける。

出身国・地域別の採用実績を見ると、中国が62.8%と最多で、東南アジア、その他のアジア、韓国、台湾の順。今後採用したい地域では68.6%が東南アジアを挙げ、ベトナムだけでも全体の3割を占める。台湾も34.9%と人気が高い。留学生の数自体が少ない欧米勢は実績も期待も極めて小さい。

厳しい競争を勝ち抜いた外国人材の定着度はどうか。入社3年後の離職率が「日本人の新卒社員より高い」と回答した企業は13.6%で、「日本人より低い」も21.2%。離職率が高いと思われがちな留学生だが、「ここ3年の調査を概括すると、日本人社員の離職率と大差はない」とディスコは分析している。

バナー写真 :  PIXTA

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