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司法試験の合格者数:2020年は52人減の1450人 平均年齢28.4歳、最高齢69歳

社会

法務省が発表した2020年の司法試験の合格者は、前年比52人減の1450人となった。受験者数は同763人減の3703人で、合格率は39.16%。政府は2015年に「合格者1500人以上」の目標を掲げたが、初めて下回った。

合格者の平均年齢は、前年より0.5歳低い28.4歳。最高齢は69歳、最低年齢は20歳だった。男女の比率は男性が74.69%、女性が25.31%で前年とほぼ同じ。司法試験受験回数は、1回目960人(前年884人)、2回目222人(同282人)、3回目126人(139人)、4回目85人(108人)、5回目57人(89人)となっている。20年の司法試験の実施時期は、コロナ禍のため5月の予定が8月にずれ込んだ。

司法試験は裁判官、検察官または弁護士になるために必要な試験で、大学卒業後に進む法科大学院を修了するか、例外的に受験資格を得られる「予備試験」に合格することが受験の条件。

かつては誰でも受けることが可能だったこの試験は、合格率1~2%で最難関の国家試験と言われていた。合格者は1990年ごろまでは毎年500人ほどしかいなかったが、「難し過ぎる」「暗記に偏重している」といった試験に対する批判や法曹数の不足を受け、2004年に法科大学院制度が導入されてからは合格者数が急増し、1500~2000人ほどで推移するようになった。

ただ、7~8割と想定されていた法科大学院修了者の合格率が導入当初から2~5割と低迷したこともあり、大学院への志願者数が伸び悩んだ。ここ数年は、合格実績の低い大学が、設置した法科大学院の学生募集を停止する動きが相次いでいる。

合格者数上位常連の法科大学院の10年の推移についてはこちら

バナー写真:新司法試験の合格発表=2006年9月21日、東京・霞が関(時事)

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