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テレワークの阻害要因? : 「請求書処理のために出社」8割

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コロナの感染拡大阻止にテレワークが欠かせない? 「でも、毎月、紙の請求書が送られてくるので、出社しなきゃいけないんです!」という人のなんと多いことか。そもそも、コロナ以前から企業はペーパーレス化を経営課題に挙げていたはずなのに…。

「会話の時に必ずマスク。外出、外食を控え、テレワーク7割。夜8時以降の不要不急の外出の自粛。この3点を徹底していただければ、感染を抑えることはできる」―菅義偉首相は緊急事態宣言の発令を決定した際、テレワークの活用を強く訴えた。

名刺管理システム大手Sansan(サンサン)が実施した「請求書に関する業務の実態調査」によると、企業の経理や財務担当者以外でも、請求書の処理のために出社を余儀なくされている人が82.5%に上った。

テレワークが推奨される以前から、業務のペーパーレス化も企業経営の課題の一つとなっていたはずだが、受け取る請求書について「ほぼ全てが紙」と答えた人が60.6%、「75%が紙」「紙とPDFなどの電子形式が半々」を合わせると、「受け取る請求書の半数以上が紙」の人が9割を超えた。

請求書に関する業務は、受取、開封、振り分け、内容確認、申請などさまざまな工程に分かれており、それぞれにかかる業務時間を調査したところ、1枚の請求書の受け取りから支払い、保管までに費やす業務時間の平均は約52分だった。また、企業の1カ月の平均受領枚数は96.08枚で、毎月平均して5000分(約83時間)を請求書の処理に投じていることになるという。

請求書に関する業務の平均時間

受け取り 6.6 (分)
振り分け 6.2
内容確認 6.2
支払い申請 6.4
承認 5.7
提出 6.1
仕分け 6.0
支払い実務 4.4
保管 5.7
合計 52

出所 : Sansan

調査は2021年1月中旬、業務上で請求書を取り扱うことのあるオフィスワーカーを対象にオンライン上でのアンケート形式で実施。1000サンプルを収集した。

バナー写真 : PIXTA

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