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今は自粛、楽しみは先送り:コロナ禍で旅行マインド、慎重に―JTB総研調査

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観光旅行どころか、盆暮れの里帰りすら慎重に考えるように求められた1年だった。生活スタイルも変化し、自粛マインドが染みついた今、「旅に出たい!」気持ちも抑制されている?

新型コロナウイルスの感染拡大で、外出や会食の自粛を余儀なくされるなか、旅行に対する日本人の意識も変わりつつあるようだ。JTB総合研究所(本社東京)のアンケート調査で、国内旅行を先送りしたり、海外旅行を断念したりするなど、慎重な姿勢が明らかになった。

調査は11都府県に2度目の緊急事態宣言が発令されたのを受けて1月20~25日、全国の20歳以上の6520人を対象にJTB総研が実施した。最初の緊急事態宣言が発出された20年4月から12月までの間、国内旅行をしたと答えた割合は36.0%だった。

四半期ごとの推移を見ると、4~6月17.5%、7~9月22.8%、10~12月25.0%と徐々に旅行実施率が上昇。特に第4四半期は、「10月からGo Toトラベルキャンペーンに東京都が加わったため、60歳以上のシニア層が積極化した」と同総研はみている。

 21年に国内旅行を計画している人の割合は27.6%で、22年度以降も11.7%と、旅行への意欲は高いことが分かった。これに対し、海外旅行は21年度実施予定が7.5%にとどまり、22年度以降実施が11.5%と、国内旅行よりも先送りの意向が鮮明に出た。海外旅行を「今後はしない」と考える人も8.3%いた。とりわけ60歳以上では男女とも12%台に達し、「シニア層には、もう海外旅行は卒業という意識がみられる」と同社は分析している。

2度目の緊急事態宣言下での旅行に対する姿勢を問うと、「今は国や自治体の意向に沿って移動を自粛するべきだ」が26.8%、「初回宣言時より移動自粛を意識」「初回より自粛意識は低下」を含めると、ほぼ半数が移動を自制していることが分かった。Go Toトラベルについては、全体の15.7%、20年に国内旅行した人では32.8%が「再開されたら、ぜひ利用したい」と答えた。

21年中に国内旅行を予定していると答えた人に、「どんな状況なら旅行に行きたいか」を聞いたところ、「良いプランや宿泊施設がとれれば」が33.1%で最も多く、「観光地が混雑していなければ」「安いプランや宿泊施設がとれれば」などの順。コロナ関連では「コロナ感染者数が減少傾向になれば」が29.8%、「コロナの終息宣言が出たら」が28.9%と多かった。

バナー写真 : PIXTA

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