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一緒に避難生活送るにはどうすればいいの? : 考えよう、ペットの防災対策

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「大地震や台風などの災害時に、ペットはどうやって避難させる?」――この問に準備万端と答えられる飼い主は少ないことが、民間の調査で明らかになった。ペットも大切な家族の一員。トリミングサロンでおしゃれさせたり、一緒に遊んだりするのも楽しいけれど、「もしも」に備えることこそ、本当の愛情。

ペット向け保険を扱うアイペット損害保険(本社東京)は、犬・猫を飼う1041人を対象に、防災意識を探るアンケート調査を実施した。異常気象の常態化が進むなかでも、ペットのための防災対策をしている飼い主は2割程度にとどまった。

対策をしていると答えた人に具体的な内容を聞いたところ、犬を飼っている人では「『待て』『おすわり』など基本的なしつけができている」が59%で最も多かった。「普段からケージなどに入ることに慣れさせている」「ペット用の防災グッズをそろえている」が犬・猫飼育者とも5割前後に達した。

災害時に最寄りの避難場所にペットも連れて行けるかを「知っている」と答えたのは2割強にとどまり、知らない人がほとんどだった。知っている人に受け入れ体制を尋ねると、「ペットと一緒に建物に入れる」と答えたのは3割にとどまり、5割は「建物にペットは入れない」。「分からない」も2割弱を占めた。

ペットと一緒の避難生活を想定した場合の心配事では「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」が6割前後に上り、犬・猫飼育者共通の悩みであることが分かった。

ワンコ、ニャンコの迷子対策として有効とされるマイクロチップの装着が22年6月、ペット業者に義務付けられる。うちの子に付けているとの答えは犬32.6%、猫16.8%で、いずれも前年調査より5ポイント増加した。

ただ、義務感や迷子対策で自主的に付けたというより、装着済みのペットを購入した例が多かった。「コロナ禍でペットの迎え入れも増えているといわれ、義務化を前に、販売元での対応が進んでいることがうかがえる」とアイペット損保は分析している。

バナー写真 : PIXTA

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