Japan Data

2020年の特殊詐欺 被害額278億円:1日当たり約7590万円、被害者の85%が高齢者

社会

警察庁によると、2020年の特殊詐欺の認知件数(暫定値)は前年比19.7%減の1万3526件、被害総額は同12%減の277億8000万円だった。過去最高だった14年(565億5000万円)と比べ半減したが、1日当たりの被害額は約7590万円と依然高い水準にある。

被害は大都市圏に集中しており、認知件数は東京が2902件、神奈川1757件、千葉1218件、大阪1108件、埼玉1030件、兵庫1020件、愛知568件などとなっている。各都府県とも軒並み減少傾向にあるが、認知件数全体に占めるこの7都府県の割合は71%にも上る。

手口別にみると、親族などを装う「オレオレ詐欺」と、警察官や金融機関の職員を装ってカードをだましとり、預金を引き出す「預貯金詐欺」を合わせた認知件数は前年比5.1%減の6382件、被害額は同3.4%増の121億6000万円。認知件数は減少しているものの、被害額は前年より約4億円増えた。

被害者をだまし、キャッシュカードを別の偽カードとすり替えて盗む「キャッシュカード詐欺盗」は、認知件数が前年比25%減の2833件、被害額が32.7%減の39億7000万円。有料サイトの利用料などを名目にお金をだましとる「架空料金請求詐欺」は、認知件数が43.5%減の1997件、被害額が19.3%減の79億6000万円となった。

また、65歳以上の高齢者の被害認知件数は18%減の1万1556件となった。法人の被害を除いた総認知件数に占める割合である高齢者率は、85.7%と前年より1.8ポイント上昇。高齢者が被害に遭いやすい傾向は変わっていない。

新型コロナウイルスに関連した特殊詐欺は55件確認され、被害額は約1億円だった。栃木県では4月、県職員を名乗る男から「コロナ関連の給付金が10万円ある。口座に振り込むので通帳などを用意してほしい。職員を向かわせる」という電話を70代男性が受け、県警に通報。被疑者(受け子)の逮捕につながった。

バナー写真:PIXTA

高齢者 犯罪・事件 詐欺