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コロナ禍以前の小中学校タブレット配備 国の目標水準に達したのは約1割

社会 教育

小中学校の児童・生徒にパソコン端末などを1人1台配備し、学校現場に高速大容量の通信ネットワークを整備する―。文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」は、この3月末にはハード面の整備が完了するはずだが、すぐに有効利用できるかについては疑問が残る。これまで学校現場で情報通信技術(ICT)をフル活用していたケースはほとんどなかったからだ。

「教育の情報化」を推進しようと活動する一般社団法人・日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)が2019年8月から9月にかけて実施した全国調査(選出した公立小学校3337校、公立中学校1913校が対象)によると、児童・生徒用タブレット型コンピュータの整備状況について、「3クラスに1クラス分以上整備している」「全児童・生徒に1人1台整備している」と回答した学校の割合は12.1%にとどまった。

これは当時、文部科学省が目標として掲げていた水準。小中学校別では、「全児童・生徒に1人1台整備している」学校は、小学校で2.2%、中学校では3.8%。一方で、小学校の33.1%、中学校の36.3%が、情報端末を「整備していない」と回答していた。

また、児童・生徒用タブレット型コンピュータを整備している小中学校でも、その87.5%が家庭への「持ち帰りをさせていない」と回答。また、持ち帰りを許可している場合でも「ネットワークにつなげずに利用している」だけの場合があり、これまでは家庭でフルに活用できているケースはほとんどなかった。

同調査は2年に1度行われており、2021年の調査との比較で「GIGAスクール構想」の進展状況が把握できると期待されている。

バナー写真:タブレットでロボットの動作をプログラミングする小学生=2020年10月、東京都北区(時事)

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