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大企業健保の8割赤字に―健保連集計 : コロナで財政悪化

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人口のボリュームゾーンである団塊の世代が後期高齢者に突入する2022年以降、健保財政は一段と厳しい局面を迎えることが想定されていた。コロナ禍により、財政危機は想定よりも早く訪れた。

大企業の社員らが加入する全国1387の健康保険組合の2021年度予算で、赤字を見込む割合が全体の78%の1080組合に上ることが、健康保険組合連合会の集計で明らかになった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で保険料収入は前年度比2.6%減の8兆60億円。従業員の給与や賞与に連動する保険料収入は、コロナの影響が大きい宿泊、飲食、生活関連サービス、娯楽などの業種の落ち込みが大きい。一方で、高齢化の進展で支出の増加傾向は続く。経常収支は5098億円の赤字で、赤字額は前年度の2306億円から倍増以上となる。

収支改善には、保険料率の引き上げが必要となる。収支差を全て保険料引き上げで埋める「実質保険料率」の平均は、前年度比0.35ポイント増の10.6%で、初めて10%を超えた。中小企業社員らが加入する「協会けんぽ」の平均料率は10%で、これを超えると自前で運営するインセンティブが薄れ、解散を選択する健保組合が増える可能性もある。

バナー写真 : PIXTA

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