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2020年のストーカー相談2万189件、8年連続2万件超え:8月に改正規正法が全面施行へ

社会

ストーカー被害は警察への相談件数が8年連続で2万件を超え、高止まりの状態が続いている。GPS 機器などの悪用を新たに規制する法律改正がこのほど国会で可決、成立し、8月にも全面施行される。

警察庁の調査によると、2020年のストーカー被害の相談件数は前年比723件減の2万189件だった。減少はしたものの、なお8年連続で2万件を上回る高水準となっている。ストーカー規制法違反での摘発は同121件増の985件で過去最高となった。

ストーカー事案に関連し、刑法やその他の特別法違反で摘発した事案は27件増の1518件で、16年以来4年ぶりに上昇に転じた。容疑別では住居侵入(300件)、脅迫(220件)、暴行(165件)、迷惑防止条例違反(119件)、器物損壊(107件)などの割合が高かった。殺人は1件、殺人未遂は7件だった。

ストーカー事案の被害者は女性が87.6%、男性が12.4%。加害者は男性が80.7%、女性が12.3%、不明が7.0%。年齢層をみると、被害者は10~40代、加害者は20~50代に集中している。加害者被害者と加害者の関係では、交際相手・元交際相手、配偶者・元配偶者が合わせて5割弱を占めた。

1999年に埼玉県で発生した桶川ストーカー殺人事件をきっかけに制定されたストーカー規制法は、今年5月、3回目の改正法が国会で可決、成立し、8月にも全面施行される。最新の機器やインターネットを使った新たな手口が生まれていることが背景にあり、相手の車に無断でGPS機器を取り付けたり、アプリを悪用して相手のスマートフォンの位置情報を取得したりする行為などを新たに規制対象としている。

バナー写真:PIXTA

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