国民年金の納付免除・猶予者数が最多609万人―20年度 : コロナ禍影響
経済・ビジネス 政治・外交 社会
リタイア後の生活の原資となる年金。コロナの影響で20年度は国民年金保険料の支払いを全額免除や猶予された人が過去最多となった。免除を受けると将来に受け取る年金額が減るため、免除は苦しみからの解放ではなく、苦しみの先送りとなる側面もある。
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国民年金保険料の納付を全額免除や猶予された人が、2020年度は前年度より26万人増えて609万人となった。基礎年金制度が導入された1986年度以降、最多となった。
新型コロナウイルス感染拡大に対応した政府の経済対策の一環で、収入が急減した人を対象に、保険料の支払いの全部または一部を免除する特例措置を20年5月に導入したことが影響した。
国民年金の加入者は20年度末で1449万人。保険料の納付率は前年度より2.2ポイント上昇して71.5%となった。9年連続の改善。保険料は過去2年さかのぼって納付できる仕組みで、18年度の最終納付率も8年連続で上昇し77.2%となった。
ただ、全額免除・猶予者は納付率の算出から除外されるため、免除者数が増えても納付率を下げる要因にはならない。全額免除・猶予者も含めた実質の納付率は40.7%まで下がる。
バナー写真 : PIXTA

