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最低賃金、平均930円に : 過去最大28円アップ、700円台地帯解消

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最低賃金は過去最大の28円の引き上げとなった。働く側にとってはもちろん大歓迎。しかし、コロナ禍で営業を制限されたり、外出自粛などの影響で売り上げが大きく落ち込んだ中小企業経営者にとってさらなる負担がのしかかることになりそうだ。

中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は、2021年度の最低賃金を全国平均で28円を目安に引き上げ、時給930円とすることを決めた。02年度に時給で示す現在の方式となってから過去最大の引き上げ幅。都道府県別で、前年度、最も低い792円だった秋田、鳥取、島根、高知、佐賀、大分、沖縄の7県は28円の引き上げによって820円となり、最低賃金700円台地帯は解消することになる。

政府は6月に閣議決定した経済財政運営の基本方針である「骨太の方針」で、「感染症拡大前に引き上げてきた実績を踏まえ、より早期に全国平均1000円とすることを目指し、本年の引き上げに取り組む」と明記。コロナ禍で厳しい経営環境に置かれている中小企業団体など経済界は現状維持を求めたが、政権の意向に沿った形での決着となった。

審議会が厚労相に答申した後に、各都道府県の審議会で引き上げ額を決定するため、新たな最低賃金は10月頃から適用される。

時給が900円を超えるのは東京、神奈川、埼玉、千葉、静岡、愛知、三重、大阪、京都、兵庫の10都府県で、首都圏、中京圏、関西圏に集中している。一方、東北、四国、九州は800円台の前半が多く、目標とする全国平均1000円達成には、まだ、時間を要しそうだ。

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