体操ニッポンの系譜 : 37年ぶり2冠達成の新エース誕生
東京2020 スポーツ 社会
日本の体操界をけん引してきた内村航平が種目別鉄棒の予選で敗退。全員が五輪初出場、平均年齢21.5歳の新生・体操ニッポンが挑んだ体操団体戦はROCに）に敗れたものの、わずか0.103点差と、今後の飛躍に期待をつなげる善戦。個人で橋本大樹が総合と鉄棒でダブル金メダルに輝き、次代のエースとしての存在を見せつけた。個人2冠は84年ロス五輪の具志堅幸司以来、鉄棒の金も同じくロス五輪の森末慎二以来37年ぶり。あん馬では萱和磨が銅メダル。体操女子はこれまで1964年東京大会の団体銅メダルが1つだけで、華々しい戦績を残してきた男子と比べると地味な存在だったが、種目別のゆかで村上茉愛が銅メダルを獲得。57年ぶりの快挙となった。
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北京、ロンドン、リオデジャネイロ、東京と4大会連続の出場を果たした内村航平が日本体操界に残した功績は計りしれない。しかし、かつて内村を超える体操界のレジェンドが存在した。小野喬は、ヘルシンキ、メルボルン、ローマ、東京の4大会に出場、団体も含めて13個（金5/銀4/銅4）のメダルを獲得。引退後は、後進の育成に努めた。お家芸とも言える美しく強い体操は脈々と受け継がれ、2020東京大会では、19歳の新エース橋本大輝が、内村航平もなしえなかった2冠を達成した。
体操ニッポンこれまでの五輪での獲得メダル（男子）
＊ 個人で2冠の選手名を太文字で示した
| 開催都市（団体順位） | 金 | 銀 | 銅 |
|---|---|---|---|
| 2020 東京（銀） | 総合 橋本大輝 | あん馬 萱和磨 | |
| 鉄棒 橋本大輝 | |||
| 2016 リオデジャネイロ（金） | 総合 内村航平 | 跳馬 白井健三 | |
| 2012 ロンドン（銀） | 総合 内村航平 | ゆか 内村航平 | |
| 2008 北京（銀） | 総合 内村航平 | ||
| 2004 アテネ（金） | 平行棒 冨田洋之 | あん馬 鹿島丈博 | |
| 鉄棒 米田功 | |||
| 2000 シドニー（4位） | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1996 アトランタ（10位） | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1992 バルセロナ（銅） | ゆか 池谷幸雄 | 平行棒 松永政行 | |
| 1988 ソウル（銅） | ゆか 池谷幸雄 | ||
| 1984 ロサンゼルス（銅） | 総合 具志堅幸司 | 跳馬 森末慎二 | ゆか 外村康二 |
| つり輪 具志堅幸司 | 跳馬 具志堅幸司 | 鉄棒 具志堅幸司 | |
| 鉄棒 森末慎二 | 平行棒 梶谷信之 | ||
| 1980 モスクワ | 不参加 | ||
| 1976 モントリオール（金） | 平行棒 加藤澤男 | 総合 加藤澤男 | 総合 塚原光男 |
| 鉄棒 塚原光男 | あん馬 監物永三 | 跳馬 梶山広司 | |
| 跳馬 塚原光男 | 平行棒 塚原光男 | ||
| 鉄棒 監物永三 | |||
| 1972 ミュンヘン（金） | 総合 加藤澤男 | 総合 監物永三 | 総合 中山彰規 |
| 平行棒 加藤澤男 | ゆか 中山彰規 | ゆか 笠松茂 | |
| 鉄棒 塚原光男 | あん馬 加藤澤男 | あん馬 監物永三 | |
| つり輪 中山彰規 | 鉄棒 加藤澤男 | つり輪 塚原光男 | |
| 規 | 平行棒 笠松茂 | 鉄棒 笠松茂 | |
| 平行棒 監物永三 | |||
| 1968 メキシコ（金） | 総合 加藤澤男 | ゆか 中山彰規 | 総合 中山彰規 |
| ゆか 加藤澤男 | 跳馬 遠藤幸雄 | ゆか 加藤武司 | |
| つり輪 中山彰規 | つり輪 加藤澤男 | ||
| 平行棒 中山彰規 | 鉄棒 監物永三 | ||
| 鉄棒 中山彰規 | |||
| 1964 東京（金） | 総合 遠藤幸雄 | 総合 鶴見修治 | |
| 平行棒 遠藤幸雄 | ゆか 遠藤幸雄 | ||
| 跳馬 山下治廣 | あん馬 鶴見修治 | ||
| つり輪 早田卓次 | 平行棒 鶴見修治 | ||
| 1960 ローマ（金） | ゆか 相原信行 | 総合 小野喬 | あん馬 鶴見修治 |
| 跳馬 小野喬 | 鉄棒 竹本正男 | つり輪 小野喬 | |
| 鉄棒 小野喬 | 平行棒 小野喬 | ||
| 1956 メルボルン（銀） | 鉄棒 小野喬 | 総合 小野喬 | つり輪 竹本正男 |
| ゆか 相原信行 | つり輪 久保田正躬 | ||
| あん馬 小野喬 | 鉄棒 竹本正男 | ||
| 平行棒 久保田正躬 | 平行棒 竹本正男 | ||
| 平行棒 小野喬 | |||
| 1952 ヘルシンキ（5位） | ゆか 上迫忠夫 | 跳馬 小野喬 | |
| 跳馬 竹本正男 | 跳馬 上迫忠夫 | ||
体操ニッポンこれまでの五輪での獲得メダル（女子）
| 開催都市（団体順位） | 金 | 銀 | 銅 |
|---|---|---|---|
| 2020 東京 | ゆか 村上茉愛 | ||
| 2016 リオデジャネイロ | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 2012 ロンドン | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 2008 北京 | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 2004 アテネ | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 2000 シドニー | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1996 アトランタ | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1992 バルセロナ | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1988 ソウル | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1984 ロサンゼルス | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1980 モスクワ | 不参加 | ||
| 1976 モントリオール | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1972 ミュンヘン | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1968 メキシコシティー | 個人、団体ともにメダルなし | ||
| 1964 東京（銅） | 個人はメダルなし | ||
公益財団法人日本体操協会の公表資料、各社報道を基に作成
バナー写真 : 2004年アテネ五輪、体操男子団体総合表彰式。金メダルを獲得し、表彰台で笑顔がこぼれる（左から）米田功、水鳥寿思、鹿島丈博、冨田洋之、塚原直也、中野大輔（ギリシャ・アテネ） 時事
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