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「全室Wi-Fi無料」の大病院、全体の2割にとどまる:民間団体調査

社会 健康・医療

がん経験者らでつくる民間団体「#病室WiFi協議会」が、大規模病院・拠点病院でのインターネット環境を全国規模で調査。結果を見ると、全病室の患者が無料で無線LAN(Wi-Fi=ワイファイ)使える病院は、わずか2割にとどまった。

調査は2021年6月3日から8月27日にかけて、全国の563の医療施設を対象に行われ、全施設から回答を得た。内訳は、一部重複しているものも含めて、がん診療連携拠点病院が451、小児がん拠点病院が15、厚生労働省所管の国立病院機構の病院が140など。

その結果、全病室で患者が無料で使えるWi-Fiを備えているのは115施設(20%)、一部で使えるのは153施設(27%)、全く使えないのは265施設(47%)だった。

調査した563医療機関の患者用Wi-Fi導入状況

導入状況 施設数 導入率(%)
全病室無料で使用可 115 20
一部で使用可 153 27
全く使用不可 265 47
整備予定あり 14 2
利用に条件あり 16 3

(2021年9月9日現在、「#病室WiFi協議会」調べ)

全病室無料のWi-Fiの導入率を地域別にみると、山形県と愛媛県がそれぞれ8病院中4病院(50%)でトップ。以下、愛知県が22病院中10病院(45.45%)、和歌山県と徳島県がそれぞれ7病院中3病院(42.86%)などと続いた。逆に導入率ゼロだったのは、宮城、秋田、富山、山梨など7県だった。

同協議会は、医療機関では近年、業務用を中心にWi-Fi導入が進んでいるものの、患者にアクセスを提供しているケースはまだ少ないとしている。新型コロナウィルス感染拡大により、全国的に病院で面会制限が続く中、入院患者が外部との通信手段を確保して孤独を軽減するためにも、各病院に対し無料Wi-Fiを整備するよう求めている。

バナー写真:PIXTA

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