Japan Data

都内のオフィスビル供給、2年連続で過去最低水準に―森トラスト調査

経済・ビジネス 社会 都市

コロナ禍を契機に感染症対策としてリモートワークが急速に広がり、一部にはオフィススペースの削減をしたり、最都心部からやや外れたエリアへの移転する企業も出ている。都心のオフィス街、これからどう変わっていくのだろう?

不動産開発の森トラスト(本社・東京都港区)の、「東京23区大規模オフィスビル供給量調査」によると、2020年の大規模オフィスビル供給量は185万平方メートルと、過去20年で2番目の大規模供給となった。20年間平均の116万平方メートルを大幅に上回った。そこから一転、21年は61万平方メートル、22年は51万平方メートル急落する見通し。

供給エリアは、千代田、中央区、港区の都心3区の割合が圧倒的に大きい。21-25年は3区合計が80%で、中でも港区の割合が全体の5割を超える。港区内の地区別では、「虎ノ門・新橋」が群を抜く。

一方、中規模オフィスビルは20年が8万平方メートル、21年が6万9000平方メートルで2年連続で前年の供給量を下回る。今後も過去10年の平均(11万3000平方メートル)を下回ることが予想され、供給量は下落している。20-21年の区別の供給割合は、港区が3割を占める。

2020年以降竣工の主な大規模オフィスビル(5万平方メートル以上)

2021年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
常盤橋タワー 千代田区大手町 三菱地所 40(5)
日比谷フォートタワー 港区西新橋 三井物産都市開発他 27(2)
世界貿易センタービルディング南館 港区浜松町 世界貿易センタービルディング、東京モノレール、東日本旅客鉄道 39(3)
メブクス豊洲 江東区豊洲 清水建設 11(0)
大手町1-4-2計画 千代田区大手町 丸紅 22(2)

2022年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
東京ミッドタウン八重洲A-1街区 中央区八重洲 三井不動産他 45(4)
九段南一丁目プロジェクト 千代田区九段 東急不動産他 17(3)

2023年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
虎ノ門・麻布台地区再開発 A街区 港区虎ノ門 森ビル他 65(5)
虎ノ門・麻布台地区再開発 B-1街区 64(5)
虎ノ門・麻布台地区再開発 C-2街区 8(3)
虎ノ門ヒルズステーションタワー  A-1街区 港区虎ノ門 森ビル他 49(4)
東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー 港区三田 住友不動産他 42(4)
渋谷駅桜丘口地区 A街区A1棟 渋谷区桜丘町 東急不動産他 37(4)
渋谷駅桜丘口地区 B街区B棟 渋谷区桜丘町 東急不動産他 29(2)
虎ノ門二丁目地区再開発事業 事務棟 港区虎ノ門 都市再生機構 38(2)
TTMプロジェクト 港区芝 田町ビル、徳栄商事、三菱重工 29(2)
五反田計画 品川区五反田 日本郵政不動産 20(3)

2024年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
赤坂2丁目計画 港区赤坂 森トラスト・NTT都市開発 43(3)
新TODAビル計画 中央区京橋 戸田建設 28(3)

2025年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
内神田1丁目計画 千代田区内神田 三菱地所 26(3)
東京駅前八重洲一丁目東B地区再開発 中央区八重洲 東京建物 51(2)
西新宿一丁目地区プロジェクト 新宿区西新宿 明治安田生命 23(4)

注 : 大規模オフィスビルは延べ床面積1万平方メートル以上のもの(店舗、ホテル、住宅などとの複合用途ビルの場合、オフィス用途部分に限って集計)。中規模オフィスビルは5000平方メートル以上、1万平方メートル未満。

バナー写真 : PIXTA

東京 テレワーク 新型コロナウイルス リモートワーク オフィス コロナ禍 オフィスビル