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私立大学の半数近くが定員割れ: 2021年春の入学者は前年比1.9%減の49万4000人

社会 教育

2021年春に私立大学に進んだ学生は、前年より1.9%減り、49万人余りにとどまった。定員割れとなった大学は4割を超えた。18歳人口が減少する中、小規模、地方の私立大学は、学生が集まらなくなっている。

日本私立学校振興・共済事業団が発表した入学志願動向調査によると、2021年春の私立大学全体の定員充足率(入学定員に占める入学者の割合)は、99.8%となり、1989年度以降で初めて100%を下回った。前年度は102.6%で、2.8ポイント減少した。

募集を停止している学校などを除く全国597校の、5月1日時点のデータを集計した。定員充足率が100%未満となり、入学者が定員割れした4年制の私立大は全体の46.4%に当たる277校で、前年度より93校(15.4ポイント)増加した。

全体の入学定員数は0.8%増の49万5162人だった。これに対し、志願者数は12.2%減の(延べ)383万4862人、受験者数は12.2%減の366万3962人、合格者数は6.6%増の143万7906人、入学者数は1.9%減の49万4213人。志願者、受験者、入学者が減り、入学定員と合格者が増加した形となった。

入学定員充足率を大学の規模別にみると、定員3000人以上が0.8ポイント増の99.9%、1500人以上3000人未満が1.0ポイント減の101.3%となるなど、概ね前年度並みを維持し、定員を確保する傾向が出た。一方で、300人以上400人未満が9.2ポイント減の95.2%、100人未満が10.1ポイント減の87.2%になるなど、小規模校で大きく下落する傾向が目立った。

入学定員充足率を地域別(学校所在地ごとに集計)にみると、首都圏や愛知県、大阪とその周辺を合わせた3大都市圏は1.7ポイント減の100.6%で、6.2ポイント減の97.3%だったその他の地域との差が大きかった。

バナー写真:専修大学が催した合同入学式。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で昨年4月に入学式が中止になった新2年生も参加して行われた=2021年4月5日、東京都千代田区の武道館(時事)

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